『大きな買い物が経費になる?ならない?』                ~2つの裁判例から学ぶこと~

2018-08-02 - 村上直樹 - 0 - お役立ち

大きな買い物をすれば「経費にできないかな?」と、経営にたずさわる方なら、ふと頭をよぎりますよね。
今回は少し極端な例を紹介しますので、経費化というものの理解の一助にして頂ければ幸いです。

(当ブログで他にも経費について説明しているコラムがございますので、そちらも是非ご参考にして頂ければと思います。)

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極端な例というのは、平成7年というバブル経済の余韻が少し残っていた頃の裁判です。
そんな時代のせいもあってか、

「フェラーリやクルーザーの購入費用は経費になるのか?ならないのか?」

といった裁判を、企業と税務署で争った事例がありました。

これを聞いて、高級品は経費には出来ないはず、と思われた方もいらっしゃるでしょう。
ところが「状況次第では、一概にNGと言えない」という結果でした。

いずれも平成7年10月12日の裁決で当事者は同じでした。
裁判はフェラーリとクルーザーそれぞれについて争ったのですが、結果は以下の通りです。

<フェラーリは経費になるのか?>

結果は、納税者の「経費になる」という主張が認められました。

 

 

 

ポイントは以下の通りです。

①交通費や通勤手当が支給されていないことや走行距離などから、通勤や支店を巡回するために使用されたことが推認されること。

②個人的に外国車を他に3台所有しているが、それは経費にしていないこと。

③フェラーリを選定されたのは個人的趣味ではあるが、事業用として使用されていることが推認出来る以上は否認できないこと。

事業での使用を明らかにすることが、大きなポイントです。
その方法とは、
・交通費や通勤手当を支給しない、と社内規定に明記する。(今回は役員を対象にしていた)
・運行記録を付けるなど事業で使用したことが分かる証拠を残し、私用との区別をハッキリつける。

確かな証拠を残し、その手間を惜しまないことが大事です。

尚、注意事項として、購入金額の全額がその年度の経費に出来る訳ではありません。
減価償却といって数年に分けて費用化となります。

 

<クルーザーは経費になるのか?>

次に、クルーザーですが、クルーザーを事業で使用するというのは、決して多いケースではないでしょう。
考えられるのは
・限られた業種
・従業員への福利厚生として
・接待での使用
といったことになるでしょう。そして、実際に争ったのはプレジャーボートについてです。クルーザーよりは恐らく小型というイメージですね。

結果は、フェラーリとは逆に否認されました。
納税者の主張は福利厚生や接待としての使用でしたが、否認された理由は以下の通りです。

①運行記録がなく「いつ」「誰が」「どのような目的で使用したのか」が説明できなかったこと。

「利用規定」「使用実績の記録」もないことから、全従業員が使用できる状況とは認められなかったこと。

以上より、事業用に使用されているとは認められない、との判決に至りました。

この事例では否認されましたが、容認される為には、少なくとも以下の項目を押さえておく必要があります。

・全従業員が使用できるということが分かるように、利用規定を設ける。
・その使用実績がわかるように、運行記録を付け、また使用風景を写真に残す。

 

<まとめ>
経費にする為の大きなポイントは「事業として使用した」という証拠を残すことです。
運用の方法が大事なのであって、決して「フェラーリがOKで、船がNG」という訳ではないのです。

証拠を残す為には手間暇が掛かりますし、高額な買い物は税務調査の対象になりかねない、というリスクもあるので容易ではありません。

しかし準備や運用が容易ではないからといって、最初から諦めるのは早計です。
経営向上への効果や価値が大きいと判断でき、結果「経費計上できる」となれば、堂々と経費にして運用するのも立派な経営判断だと思います。
判断できなかったり、具体的な運用の方法が分からない、といった相談がございましたら、お気軽に弊所までお問合せ下さい。

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