働き方改革関連法~①残業時間の上限と割増賃金割合の引き上げ~

2018-08-16 - 矢内裕子 - 0 - お役立ち

先月6月末に成立した「働き方改革関連法」。
その中には、残業時間の超過違反についての罰則規定が盛り込まれるなど、経営者として、法律の内容を十分に把握し、早めに対策を必要とする内容が多くあります。

本日から数回にわたり、押さえるべき法律内容とその対策お伝えしようと思います。

【①残業時間の上限と割増賃金割合の引き上げ】

…少し前の私のブログで「従業員に残業をさせる場合には、企業の規模にかかわらず36協定と呼ばれる書類を、労働局に提出する必要があります」とご紹介したのですが、今回の法律では、その「36協定」の内容がより厳しくなりました。
本日はこの部分についてご説明いたします。。

まず、来年2019年4月1日より(中小企業は2020年4月1日より)施行となる、時間外労働の上限時間についてです。

36協定の基本となる時間外労働の上限は、これまで通り原則月45時間・年360時間ですが、企業の繁忙時期など、この原則の上限時間が変わります。
新しい法律では、繁忙期の残業時間の上限を年720時間とし、
・繁忙期が1箇月以内である場合、休日労働を含む残業時間の限度を1箇月で100時間未満
・繁忙期が連続する複数月となる場合は、休日を含む残業時間の限度を月平均を80時間未満
とします。
同時に、これに違反する場合には、新たに6か月以下の懲役か30万円以下の罰金が科せらることになりました。

また、上記の罰則規定が設けられることにより、従業員の労働時間の管理方法も、これまで良しとされていた「自己申告」では不十分となり、客観的な管理方法であるタイムカードやWeb打刻、PCのログオン/ログオフ等、機器により時刻を記録される方法を取ることが望ましいとされました。

また、2023年には、これまで中小企業に対して適用が猶予されていた、「残業時間が月60時間を超えた場合の割増賃金率」が、既に適用されている大手企業と同じ50%へと引き上げられます。(割増賃金率違反については既に罰則規定が設けられています。)

今回の法律では、建設業や運送業など一部の業種について、法律の適用猶予期間が設けれれていますが、その他の企業については、一斉に適用になります。
この為、法律施行までの残り約半年で、少しずつ準備を始めることが必要です。

準備すべき内容は、例えば以下のようになります
① 従業員の勤務時間の管理方法を決定・導入・試運用する
(タイムレコーダーの導入などには助成金が使える場合があります。)
② 従業員の詳細な労働時間を把握する
③ 月60時間を超える残業が発生している場合、その時間を基に残業代を試算・比較する
④ 36協定の上限時間と照らし、対策を打つ
(組織改革・業務改善・人員補充など)
⑤ 36協定を作成し、提出する(前回もご案内した通り、36協定を提出していない企業は残業することができません)

私自身、顧問先社長様と、職場環境の整備や人員補充に取り組む中で、現状発生している労働時間を国が定めた規定の中に納める事の大変さを痛感する毎日ですが、それでも、この機会をチャンスと捉え、これまでのやり方を見直し、限られた時間の中で、どのように生産性を高めるか、「企業とそこで働く従業員の為に」と視点をシフトし、前向きに取り組んでいきたいと思っています。

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