売上計上基準を見直しましょう<1回目>

2018-08-29 - 石川修平 - 0 - お役立ち

スタッフの石川です。
7月下旬から8月上旬のような非常に厳しい暑さは、ようやく峠を越えたでしょうか。
まだまだ暑い日が続きますので、どうぞお体ご自愛下さい。
 
 
先日、顧問先様の税務調査にはじめて同行しました。
調査官は、契約書や給与台帳、通帳など多数の資料を確認されていましたが、
その中でも特に、売上計上漏れや売上計上日が間違っていないかという点を、
細かくチェックされておりました。
 
今回と次回2回に分けまして、税務調査で争点になりやすい、売上計上基準についてご説明いたします。
 

 
<商品の売上計上基準について>
物(商品)の売上の計上(認識)は、基本的に商品の引渡しが完了した時点で、売上を計上する「実現主義」
の原則に従って売上を計上する必要があります。
 

 
上記の図の場合、3月25日に商品を取引先へ引渡しを行い、翌月4月10日に商品代金が口座へ入金されております。
商品を相手に引渡しをした日が、売上計上日になりますので、売上計上日は3月25日となり、
当決算期内の売上となります(売上は売掛金へ計上)

通帳のお金の動きだけを見ると、4月10日が売上計上日と間違える方もいらっしゃいますが、
あくまでも入金された日付は売上計上日ではなく、引渡書や請求書発行している日付が売上計上日となります。
 
 
<売上の計上時期の種類>
物(商品)の売上は基本的には前述にてご説明したとおり、「物の引渡しがあった日付」ですが、
これ以外に税法上、次のような売上計上基準が認められております。
 
①出荷基準
商品を会社から出荷した時に「物の引渡し」を行ったとする方法です。
相手に商品が到着していなくても、出荷日が売上計上日になります。
物販業で多く使われ、出荷伝票を証憑に売上計上することが多いです。
 
②検収基準
相手方が商品を受取り、検収を完了した日に売上を計上する方法です。
仕様や品質を検証するために、一定期間試運転後に検収となることが多く、
精密機械を製作する製造業や、ITシステムの販売などで使われることが多いです。
 
③検針基準
検針などにより販売数量を確認した日に売上を計上する方法です。
主に電気・ガス・水道などで多く使われます。検針を行い、使用量(販売量)を確認した日に、
引渡しがあったものとする基準です。
 
 
余談ですが、私が以前勤めていた精密機械を販売する会社では、2種類の売上計上基準を使用しておりました。
設置後の調整が少ない機械は、出荷時に売上を計上する①出荷基準で、売上を計上していました(A機械)
一方、高精度の結果が求められ、機械設置後も細かい調整とテストが必要な機械は、先方の検収通知を受けてから
売上を計上する②検収基準で、売上を計上していました(B機械)
ところがB機械にも関わらず、当期の売上を多く計上したいとの思惑から、出荷基準で当期内の売上にして
しまったことがありました。
運悪く2年後、税務調査が入った際、この売上について指摘を受けてしまい、決算の修正および、
追加の税金を支払う
羽目になってしまいました。
 
今回のケースのように、その時だけ都合の良い売上計上基準を使用することは脱税になります。
1つの会社で2つ以上の売上計上基準を使用する場合は、明確なルールの元に運用する必要があります。
 
 
また、税法上どの売上計上基準を使用しても問題はありませんが、いったん採用した売上計上基準は
継続して適用する必要があります。

売上計上基準の変更は税務調査の際、否認されるケースが多く、合理的な理由がないと
基本的に認められることはありません。

(例:出荷基準で売上を計上していたが、取引先の検品基準が厳しいため返品される数が多く、
後日売上の取消を何度も行っているため、検収基準へ変更等)
 
 
 
今回は物(商品)の売上計上基準について、ご説明いたしました。
業種や販売形態、取引先との関係など各々の会社によって、適正な売上計上基準は変わります。
次回は、旅行代理店や資格専門学校等のサービス業の売上計上基準、さらには建設工事の売上計上基準や
それに伴う仕掛品についてご説明いたします。
 
お困りの点がございましたら、お気軽に当事務所へご連絡下さい。

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